ディープフェイクの作り方と簡単に作れる無料アプリや作成時の注意点をご紹介します。
ディープフェイクとは、ディープラーニング (機械学習) とフェイクを組み合わせた造語で、AIを利用して動画や画像に加工を加える技術の事です。
いままでは映画やゲームなどのエンタメ業界で使われてきました。
具体的には、動画や画像の自分の顔を別人のものと差し替えたり、声を変えたりできます。
最近はスマホのアプリなどで手軽に作れるようになり、テレビのニュースなどで「フェイク動画」という言葉を耳にすることも多くなりました。
しかし、本物と見分けがつかないほどのリアルなフェイク動画は悪用の懸念も。
そこで今回はディープフェイクの作り方と簡単に作れる無料アプリや作成時の注意点、aiコラとの違いなどをご紹介します。
ディープフェイクの作り方(画像・映像)
下の動画では、Googleが提供するオンラインツールを使ったディープフェイクの作り方を解説しています。
手順としてはこんな感じです。
- 動画をフレームごとの静止画に分解
- 静止画から顔を抽出
- 抽出した顔を学習
- 学習した顔をはめ込み
- 静止画から動画を作成
使用するツールによっては、「抽出した顔を学習」の工程にかなりの時間がかかるようですね。
いままで高性能なパソコンを使って時間をかけて作られていたものが、個人のパソコンで簡単に作れる時代になりました。
無料アプリおすすめ
基本無料で使えますが、一部課金しないと使えない素材や機能があります。
英語表記のみのアプリもあるので、無料で使いたい方は間違えて課金ボタンを押さないように注意しましょう。
REFACE (iPhone・Android対応)
写真の顔を有名人の動画にはめ込むことができるアプリ。
テンプレートとして有名人の動画素材が準備されており、入れ替えたい動画を選んでボタンを押すだけで完成。
有名人になりきって歌うシュールな動画が出来上がります。
日本語対応で操作も簡単なのでとても使いやすいアプリです。
Iface (iPhoneのみ)
Tiktokでバズったことで注目された顔交換アプリです。
こちらもハリウッド映画などのテンプレートが用意されており、面白い動画が作れます。
Avatarify (iPhoneのみ)
顔を入れ替えることはできませんが、写真を動画のように動かすことができます。
写真の中の人物を歌わせたり喋らせたりできます。
テンプレートの動画だけではなく、LIVE MODEで自撮りして動画を作成し、その動画と同じ動きや音声を写真の人物に反映させることも可能です。
英語表記のみなので少し操作が分かりにくいかもしれません。
Xpression (iPhoneのみ)
こちらも顔を入れ替えることはできませんが、写真や動画の人物の表情を自由に変えられます。
顔を入れ替えるというより「表情を入れ替える」という感じです。
動画でも静止画でも自分の好きなように喋らせることができます。
mac・windowsで作るには?
手軽にディープフェイクを作って楽しむにはスマホアプリで十分です。
しかしパソコン用のディープフェイク制作ツールを使うと、スマホアプリよりも完成度の高い映像を作ることができます。
パソコンでのディープフェイク制作は、ツールの扱いが複雑で難しいためプログラミングに詳しくない初心者は難しく感じるでしょう。
パソコンのスペックもそれなりに高いものが必要になります。
ディープフェイク動画が作れるツールで有名な所ではDeepFaceLab・FakeApp・FaceSwapなどがあります。
動画をウェブ上にアップロードするだけでフェイク動画を作ることができる有料のサービスもあります。
ディープフェイク作成で気をつけること
ディープフェイクは画期的で多くの注目を集める技術ですが、危険で悪用の可能性が高い技術でもあり、すでに日本でも逮捕者が出ている事例もあります。
2018年にはバラク・オバマ元大統領のフェイク動画が話題になりました。
一見しただけではほとんど見分けがつかないくらいの精巧なフェイク動画は、見た人にインパクトを与えました。
最近では、ウクライナのゼレンスキー大統領が降伏の呼びかけをする動画がテレビで報道され話題になっていましたね。
このように、実際には発言していない内容を発言しているように見せた「なりすまし動画」が簡単に作れてしまうのです。
日本では女性タレントの顔に差し替えたポルノ動画をサイトで公開したとして、男性2人が名誉毀損・著作権法違反の疑いで逮捕されています。
今後は一般人も巻き込まれると予想されており、深刻な脅威となっています。
本人の同意を得ずに他人の顔をディープフェイク動画に使用した場合は罪に問われる可能性があるため、注意が必要です。
個人で使用する場合でも、その使い方に責任を持たなければなりません。
aiコラとは違う?
Photoshopなどの画像加工ソフトで複数の写真を合成して作るコラージュ画像の事を「コラ画像」といいますが、このコラ画像も今ではAIを使ったアプリで簡単に作る事が可能になりました。
アイドルや有名人の顔写真を使って加工された画像を「アイコラ」と言ったりしますね。
「コラージュ」というのは一般的に画像を切り貼りして作るもので主に画像の事を指します。
それに対してディープフェイクは動画の事を指す事が多いです。
昔からPhotoshopなどの画像加工ソフトで顔を別人とすげ替えるような加工は行われていましたが、今では動画でもそれが可能になったのです。
まとめ
いままでは映画やゲームなどのエンタメ業界で使われていたディープフェイクの技術が、スマホの普及により身近に楽しめるようになりました。
今では個人のパソコンやスマホアプリで簡単に作ることができます。
しかし悪用の事例も多く、使う際には細心の注意が必要です。
本人の同意を得ずに他人の顔写真や動画を使用する事は罪に問われる可能性があるため注意しましょう。
悪い所ばかりに目が行きがちですが、依然としてエンタメ分野ではディープフェイクの技術は需要があり今後の活用が期待されています。
アプリなどを使うときは常識の範囲内で、節度を持って楽しみましょう。