ペットボトルキャップがワクチンに変わる仕組みは「ペットボトルキャップを売却し、その利益を団体に寄付してワクチンになる」です。
この活動は嘘ではありませんが、嘘だと疑われてしまうような出来事が以前にありました。
今回は
- ペットボトルキャップがワクチンに変わる仕組み
- 現在の活動について
- なぜ活動が嘘だと疑われてしまったのか
- キャップの回収はコンビニや郵便局でも対応してくれるのか
などを詳しく説明していきます。
ペットボトルキャップがワクチンに変わる仕組みは?
ペットボトルキャップがワクチンに変わる仕組みを詳しくお伝えすると
- 集まったペットボトルキャップをリサイクル業者に売却
- その利益をJCV(世界の子どもにワクチンを日本委員会)に寄付
- JCVがUNICEFと連携し世界のワクチン工場へワクチンを発注
このような仕組みです。
ペットボトルキャップを約400個(1Kg)集め、リサイクル業者に売却すると約15円の利益になります。
ワクチンは1本10円から20円なので、キャップ約400個集めればワクチン1本を購入することが可能ですね。
しかし集めたキャップを引き取ってくれる自治体や企業はたくさんありますが、郵送するための作業と1000円前後の郵送費が発生します。
1本10円から20円のワクチンのために1000円前後の郵送費と手間をかけることに疑問を感じ、郵送費をそのまま寄付したほうがいいと考える方も多いのが現状です。
またリサイクル業者が回収場所に取りに来る場合を考えても
- 回収作業
- 輸送作業
- 洗浄作業
- 選別作業(キャップの素材が多様のため)
- 粉砕作業
このような過程を経てキャップはプラスチックの原料に戻りますが、ここでも多くの人件費や手間がかかっていますね。
その人件費をそのまま寄付したほうがいいと考え、活動自体に疑問を感じている方も多くいらっしゃいます。
リサイクルをしてゴミを減らすことを一つの目的として活動していますが、輸送中やリサイクル作業中に発生するCO2や使用するエネルギーのほうが多く逆に環境的にも悪影響なのです。
エコキャップ運動って2020年もやってる?じつは嘘なの?
エコキャップ運動は2020年もやっていますし、嘘ではありません。
社会貢献活動の一環としてペットボトルキャップ回収ボックスを設置している自治体や企業も多くあるようです。
しかし、徐々に活動を縮小する自治体や企業が増加傾向にあります。
その理由は
- 技術が進歩し、ゴミ収集時にキャップを簡単にリサイクルできるようになった
- キャップ買い取り価格の大幅値崩れ
このようなことからキャップを集めるのではなく、正しくリサイクルできるようプラスチックゴミにきちんと分別することに重きを置くようになったのです。
エコキャップ運動が嘘だといわれる原因
NPO法人「エコキャップ推進協会」が2013年から約1年間、JCV(世界の子どもにワクチンを日本委員会)に対して1円もワクチン寄付をしていないことがわかったのです。
約9000万円の収益があったのにも関わらず寄付しなかった理由は
- 団体設立当初から掲げていた障害者の自立支援事業に約1900万円
- 人件費に約3900万円
- 事務所家賃や管理費に約3200万円
と、当時NPO法人の理事長が説明しています。
このようなことから国民の善意を踏みにじったと批判を受け、エコキャップ運動が嘘だといわれてしまう原因なのです。
ペットボトルキャップの回収はコンビニ?郵便局?
ペットボトルキャップの回収はコンビニでも郵便局でもしていません。
各コンビニのゴミ箱でキャップを分別できるように作られているものもありますが、寄付目的ではなくリサイクル目的で分別されているようです。
以前、郵便局では山梨県と神奈川県の一部の地域で回収専用ボックスを設置していたようですが現在はもう設置してないようですね。
キャップを売却したい場合は事前に近くの自治体や企業を調べたほうがよいでしょう。
■セブンイレブンの「ペットボトル回収機プロジェクト」
セブンイレブンでは2018年より店頭に「ペットボトル回収機」の設置をスタートさせました。
洗浄したペットボトルをキャップとラベルを外した状態で回収機にいれると、ペットボトル5本で電子マネー“nanaco”1ポイント(1ポイント=1円)得ることができます。
現在ではまだ全国の店舗数の5%ほどの店舗でしか設置されていませんが、随時増えていくようです。
身近かつ簡単で参加しやすいリサイクル活動ですね。
しかしこちらの機械ではあくまでペットボトルの回収になるので、キャップとは無関係なのでお気をつけください。
まとめ
ペットボトルキャップがワクチンになる仕組みは
- キャップをリサイクル業者に売却
- 売却で得た利益をJCV(世界の子どもにワクチンを日本委員会)に寄付
- JCVがUNICEFと連携しワクチンを発注
になり、ペットボトルキャップ約400個(1Kg)でワクチン約1本購入可能です。
ただそこには時間や手間、配送料がかかることも忘れないでください。
エコキャップ活動は現在でも多くの企業や個人の方が参加していますが、発足当初よりは縮小していますので回収を希望される方は事前に調べることをおすすめします。
様々なリサイクル方法がありますが、基本的にはきれいに洗浄する・ラベルを外すなどの正しいリサイクルのルールを守ることが大切ですね。
ぜひ自分に合ったリサイクル方法でゴミを減らしていきましょう。